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YouTubeは2000億円

posted at 14:48:22 on 2006-10-11 kaz | Category: オンモード

google がYouTubeを2000億円で買収した。
動画配信をテコに広告収入増を狙ったものらしいが、これぞアメリカ流のオープンイノベーションの真骨頂だ。

Newsweek誌に「YouTube 実は存亡の危機」という記事が載ったのが先週。
10/7には google が YouTube を買収検討で交渉入りという記事が流れていた。
そして10/10に買収が決定した。

YouTubeは独立会社として存続し、ブランドも維持するとのことだ。
次代のコンテンツは動画だと誰もが思い、そして収益モデルを考えている。
google は得意の広告モデルと組み合わせることでこれを完成させようとしている。

Newsweek誌に「存亡の危機」とまで書かれたYouTubeを何故googleが買収したのだろうか?
それは、アメリカ流のオープンイノベーションが機能したからだと考えている。
この場合、「イノベーション」とは技術革新だけに留まらない。ビジネス価値を生み出すあらゆる革新的な試みをイノベーションと呼ぶとこれは立派なオープンイノベーションなのだ。

日本では、ビジネスにおける価値は創造するものだという思いが強い。
日本の企業、特に大企業では、自社の技術で研究開発から販売までの全てのプロセスを担おうとしてきた。最近、一部ではこのモデルは成り立たなくなってきており、事業の再編が進んでいる。例えば、日立が富士通のプラズマを買収したのもその例だ。

だが、伝統的にアメリカ企業は、製品作りにおいて自社の技術より他社の技術が良ければ、その部分はあっさり他社の技術に置き換えてしまうような決定をしてしまう。
これがアメリカ流のオープンイノベーションだ。

技術だけではない。アメリカ流の経営では、事業価値を生み出すあらゆるものを天秤にかけ、事業価値が最大になるように組み替えてしまう。
日本では、事業価値「創造」が重要であり、アメリカでは事業価値「獲得」が重要である所以である。

Newsweek誌にこのような記述がある。
『契約交渉のため最近シリコンバレーのユーチューブ本社を訪れたワーナーのアレックス・ズビラガ・デジタル戦略担当副社長は、敵意どころか同情を禁じえなかったという。ピザ屋の上にある狭いオフィスでは、60人の社員が10本の電話回線だけで仕事をしていた。「気の毒に感じたほどだ」とズピラガは言う』


1日1億回の動画配信費用と著作権者の反発、広告不足と問題を抱えながら上記のようなオフィスで苦労している会社を何故2000億円も出してgoogleは買収するのだろうか?

それは、YouTubeが既に世の中の動画配信でムーブメントを作り出しているからだ。
動画配信に関してはgoogleもこれを作り出すことはできていない。ネットの世界では、googleはもう老舗であり、クールな流行はもっと新しい若い会社から生まれるということだろう。

googleが生み出した検索エンジンと広告モデル。
Appleがリードする音楽配信。
日本では、SNSのmixi。

このように、一度ムーブメントが起こってしまうと、2番手が追いつくにはかなり困難な状況が待ち構えている。

300人もの博士を抱え、20%ルールで日々新しいものを生み出しているgoogleにしても、動き出したムーブメントには簡単に追いつけない。

だから、googleはYouTubeを買収した。

技術的にはgoogle は既に持っている技術、もしくはすぐに追いつける技術だろう。
YouTUbeのビジネスはインフラとアイデアとタイミングが重要であり、技術的にはYouTubeの動画配信技術はgoogleにとって巨額の金まで出して欲しいものではない筈だ。欲しいのは、時代の先端を走るムーブメント、動画配信の世界での圧倒的なブランドだ。

問題が山積みのYouTubeだが、googleの豊富な資金で乗り切れるだろう。
時代が味方している。それも今のところ、ムーブメントの先頭を行く YouTubeだけに。

アイキットソリューションズ
生島 大嗣

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Comments

かわかみ wrote:

>だが、伝統的にアメリカ企業は、製品作りにお>いて自社の技術より他社の技術が良ければ、そ>の部分はあっさり他社の技術に置き換えてしま>うような決定をしてしまう。

スピードを感じる考え方ですね。
確かに日本の場合は、企画・製造・販売という流れにこだわり持っていましたね。
しかし、これを維持するには、人材、費用、そのほかもろもろのリスクが必要ですからね。
これからの世の中スピードが勝負ですから、上記のアメリカ的な考え方は生存競争に欠かせないでしょうね。
IT業界にとどまらず、あらゆる業界で必要でしょうね。

2006-10-11 22:08:25

生島大嗣 wrote:

かわかみさん

> これからの世の中スピードが勝負ですから、上記のアメリカ的な考え方は生存競争に欠かせないでしょうね。

ある意味かかせない状況になってきていますね。
ですが、日本の、特に製造業のDNAはアメリカ的なものとははっきり異なっています。
それを踏まえた上でのそのような変化、よい意味での変化、そして日本的な変化を起こしていけるのか。

これからが勝負だと思います。

コメントありがとうございました。

2006-10-11 22:25:47

きよ店長 wrote:

今回の日記も濃いーーーですねぇ。
なんか、ぼんやり見えていたものが
はっきり見えるようです。

早く、WBSのコメンテーターの御岳さんと
代わってください!!(笑)

2006-10-11 22:49:58

生島大嗣 wrote:

きよ店長さん

> なんか、ぼんやり見えていたものが
> はっきり見えるようです。
嬉しいコメントありがとうございます。

> 早く、WBSのコメンテーターの御岳さんと
> 代わってください!!(笑)
依頼がきたらすぐに変わるのですけどねぇ。
一度WBSに言っといてください (笑)

2006-10-11 23:05:06

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