心のマネジメント
posted at 00:06:08 on 2006-05-26 kaz | Category: オンモード
こじんまりと回っている事業を大きく展開しようと思っても、なかなか踏み出せないことが多い。理由はいろいろあるが、一番大きいのは心のマネジメント。恐怖心の克服である。
私の友人に関西の高級住宅街で英語のプリスクールを経営している人がいる。
帰国子女の彼女は自分の子どもを通わせる理想的なプリスクールがなかなか見つからず、結局自分で作ってしまったという経緯がある。
自分で作ってしまったというだけに、そのこだわりには圧倒的なものがある。
帰国子女でもある彼女は、彼女の住む街で最近流行ってきたいろいろなプリスクールを見て釈然としないものを感じていた。
幼児教育の専門家ではない教師による、マニュアル化された授業を商業的に提供しているところが実に多い。ひどい例だが退役して流れてきた元米軍兵士を教師として雇っているというケースも実際にある。そのような教師がマニュアルにより誰でもできるようになっている授業を行う。
もちろん、そのようなところに子どもを預けても、延々とカード遊びを繰り返すので単語は覚えるらしいが、永遠に英語で文章を喋ることはできない。
彼女はそういうプリスクールを多く見てきて、自宅で自分の納得のいくプリスクールを開校してしまったのだ。幼児教育を基礎から覚えるために、自分の子供を連れて米国に渡り公的な資格まで取ってしまった。授業方法にしても、教材にしても相当のこだわりを持ち、常に生徒のことを一番に考えている。そして女性らしい配慮に溢れている。
そんな彼女の経営するプリスクールは、評判が評判を呼び、口コミだけで生徒が増えていった。昨年春には、自宅が手狭になったこともあって本格的に場所を借りて展開することになり相談を受けた。
相談には乗ったが、実は顧客から見た価値の創造がしっかりできているし、他の商業的なプリスクールとは圧倒的な差別化ができあがっていたのでその路線を強調するだけでよかった。価格は他より高めに設定するように勧めた。
ところが、本人は不安で仕方がない。
ある程度大きな資金を投入して、外国人向けに建てられた大きな一軒屋を借りたのだが、キャッシュフローをかなり心配していた。
ブルーオーシャン的に徹底的な差別化ができあがっていたので、私は心配はしていなかった。しかし、本人はそう安穏とはしていられなかった。私が戦略的に必要がないというのに、一部ニーズがあるということで学習熟機能も提供することにしたのだ。
彼女のところでは、他が提供できないこだわりに基づいた英語と音楽、しつけ教育が特色だ。幼稚園からの留学もサポートできる。
しかし、進学塾の機能を提供しても専門の熟には敵わない。それに、本心からそれを提供したいわけではなかった。
それなのに提供してしまった。
一年経ってはっきりと結果が見えた。
プリスクール自体は予想通り評判がよく、益々生徒が多く集まるようになった。満員状態である。しかし、学習塾機能には生徒が思ったほど集まらなかったのだ。
こだわり型のビジネスは、それを貫かないとぶれてしまう。
このタイプのビジネスでは、決して顧客のニーズを追い求めてはいけないのだ。
理屈では分かっていても、人間は感情の動物である。不安に駆られた状態で決断しないといけないことが多い。
そのようなときに、自分の心を如何にマネジメントできるかが大きな問題になる。
不安のために正しい判断ができないことがあるからだ。
今、別の友人が同じような悩みを抱えている。
独自の商品を開発し、評判もよいのだが問題がある。
こだわりすぎてコストが利益を圧迫しているのだ。
マーケティング的に値上げは問題にならない。逆に差別化要因に繋ぐことができる。
しかし、不安がそれを難しくしている。
心のマネジメント、恐怖、不安の克服が本当に重要になる。
アイキットソリューションズ
生島 大嗣
私の友人に関西の高級住宅街で英語のプリスクールを経営している人がいる。
帰国子女の彼女は自分の子どもを通わせる理想的なプリスクールがなかなか見つからず、結局自分で作ってしまったという経緯がある。
自分で作ってしまったというだけに、そのこだわりには圧倒的なものがある。
帰国子女でもある彼女は、彼女の住む街で最近流行ってきたいろいろなプリスクールを見て釈然としないものを感じていた。
幼児教育の専門家ではない教師による、マニュアル化された授業を商業的に提供しているところが実に多い。ひどい例だが退役して流れてきた元米軍兵士を教師として雇っているというケースも実際にある。そのような教師がマニュアルにより誰でもできるようになっている授業を行う。
もちろん、そのようなところに子どもを預けても、延々とカード遊びを繰り返すので単語は覚えるらしいが、永遠に英語で文章を喋ることはできない。
彼女はそういうプリスクールを多く見てきて、自宅で自分の納得のいくプリスクールを開校してしまったのだ。幼児教育を基礎から覚えるために、自分の子供を連れて米国に渡り公的な資格まで取ってしまった。授業方法にしても、教材にしても相当のこだわりを持ち、常に生徒のことを一番に考えている。そして女性らしい配慮に溢れている。
そんな彼女の経営するプリスクールは、評判が評判を呼び、口コミだけで生徒が増えていった。昨年春には、自宅が手狭になったこともあって本格的に場所を借りて展開することになり相談を受けた。
相談には乗ったが、実は顧客から見た価値の創造がしっかりできているし、他の商業的なプリスクールとは圧倒的な差別化ができあがっていたのでその路線を強調するだけでよかった。価格は他より高めに設定するように勧めた。
ところが、本人は不安で仕方がない。
ある程度大きな資金を投入して、外国人向けに建てられた大きな一軒屋を借りたのだが、キャッシュフローをかなり心配していた。
ブルーオーシャン的に徹底的な差別化ができあがっていたので、私は心配はしていなかった。しかし、本人はそう安穏とはしていられなかった。私が戦略的に必要がないというのに、一部ニーズがあるということで学習熟機能も提供することにしたのだ。
彼女のところでは、他が提供できないこだわりに基づいた英語と音楽、しつけ教育が特色だ。幼稚園からの留学もサポートできる。
しかし、進学塾の機能を提供しても専門の熟には敵わない。それに、本心からそれを提供したいわけではなかった。
それなのに提供してしまった。
一年経ってはっきりと結果が見えた。
プリスクール自体は予想通り評判がよく、益々生徒が多く集まるようになった。満員状態である。しかし、学習塾機能には生徒が思ったほど集まらなかったのだ。
こだわり型のビジネスは、それを貫かないとぶれてしまう。
このタイプのビジネスでは、決して顧客のニーズを追い求めてはいけないのだ。
理屈では分かっていても、人間は感情の動物である。不安に駆られた状態で決断しないといけないことが多い。
そのようなときに、自分の心を如何にマネジメントできるかが大きな問題になる。
不安のために正しい判断ができないことがあるからだ。
今、別の友人が同じような悩みを抱えている。
独自の商品を開発し、評判もよいのだが問題がある。
こだわりすぎてコストが利益を圧迫しているのだ。
マーケティング的に値上げは問題にならない。逆に差別化要因に繋ぐことができる。
しかし、不安がそれを難しくしている。
心のマネジメント、恐怖、不安の克服が本当に重要になる。
アイキットソリューションズ
生島 大嗣
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神谷商店 wrote:
kazさん、こんにちは。ご無沙汰しております。
▽こだわり型のビジネスは、それを貫かないとぶれてしまう。 このタイプのビジネスでは、決して顧客のニーズを追い求めてはいけないのだ。
→まさにランチェスターの戦略というか、弱者の一点集中主義ですね。参考になりました!
生島 大嗣 wrote:
こちらこそご無沙汰しています。
書き込みありがとうございます。
なるほど、ランチェスターの戦略に似ているんですか。
どのような理論でも、やはり原理原則は同じなのでしょうね。
私は、うまくいくビジネスモデルをいくつか考えており、問題のあるビジネスモデルは可能ならこの形になるように修正します。その中で、シーズ志向のうまくいくモデルとしては以下のようなものを考えています。
・圧倒的技術力で他を寄せつけない。
・徹底したこだわりで、他と差別化する。
ふたつめのこだわり型のビジネスはうまく機能するのですが、これに顧客ニーズを追い求めるビジネスモデルを組み入れると、モデルとして整合性がなくなり矛盾が生じます。
ニーズ志向型ビジネスモデルはいくつかあるのですが、中途半端なモデルはコスト競争に巻き込まれますから注意が必要になりますね。
この辺りもランチェスターとも同じだと思います。