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万歳!技術馬鹿人生

posted at 21:08:25 on 2006-04-20 kaz | Category: オンモード

プロジェクトX「プラズマテレビ 愛の文字から始まった」の主人公、現 (株)富士通研究所フェローで東京大学客員教授の篠田傳氏の講演を聞いた。

実は、日経ビズテック006号の「誌上ケーススタディ--テクノロジーマネジメント」でプラズマテレビを取り上げており、私はそこで論評をさせて頂いている

プロジェクトXを見て、更にこのケーススタディーを詳細に読んでから技術者、研究者としての篠田氏の人間力の大きさに魅せられており、是非一度お話を聞いてみたいと思っていたが、やはり篠田氏はよい意味での「技術馬鹿」であり、生き生きと話される言葉には共感するところが多かった。

LCDとのディスプレイの開発競争で、理論的にPDP方式が優れていることをなんとか伝えようとされていた。技術、それもPDPの研究開発が三度の飯よりも好きだということがひしひしと伝わってくる。

講演の後に、私は少し意地悪な質問をしてみた。
「私は、以前はベータ、VHSで開発競争をしていたころにビデオの開発を、次にLCDの研究開発をしていましたが、今となってはよくできた製品は方式を超えてしまうということを実感しています。この点はどう思われますか?」

これに対して、篠田氏はこう答えた。
「昔と違い最近は、社会の中で製品はどうあるべきかを考え、そこから逆算してどんな技術が必要かを考えるようになった。これも年のせいかも知れませんね」

篠田氏も私も、ディスプレイの開発に従事し、その事業化に関わってきた。しかし、彼の会社も私のいた会社も産業化というところで失敗し、事業から撤退している。

これに関しても技術者としての気持はどうかと質問したが、それは大きな投資が必要な事業であり、富士通としてはメインの事業ではなかったということだと答えられた。
技術者として関与できる範囲を超えているということを言われたのだろう。

この辺りは、技術に対してコミットしていきたいという技術者としての立場、姿勢を貫かれていると感じた。やはりいい意味での「技術馬鹿」である。

篠田氏の場合、単なる技術馬鹿ではなく、あの手この手を使って事業化までぐいぐい引っ張る人間力も備わっている。ただ、経営はご自身の範疇ではないと決められているのだろう。ここは私と少々スタンスが違うところだ。

彼は今、国家プロジェクトに関わり新たなディスプレイの研究をされている。
メーカーの思惑に振り回されないために、各メーカーが技術を持ち寄るのではなく、ニュートラルな状態で一から研究開発をされているそうだ。これが篠田流なのだろう。

篠田氏は、「研究者によい環境を与え、目標をクリアにし、自由にさせる」と必ず成果を出してくれると確信されているとのことだ。

最後にこう語って、講演を締めくくった。
いつも技術で「夢」を追いかけている。そして「技術は愛」なのだ。

久し振りに真性の素晴らしい「技術馬鹿」に出会い、技術者としての血が騒いだ一日だった。

アイキット ソリューションズ
生島大嗣


	 日経ビズテック006
   日経ビズテック006 MOTを極める技術経営戦略誌
   日経ビズテック (編さん) ムック (2005/03/26)
   日経BP社/日経BP出版センター  

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