ティッピングポイント
posted at 15:01:55 on 2006-02-13 kaz | Category: オンモード
話題書である「ブルーオーシャン戦略 競争のない世界を創造する」を読まれた方も多いと思う。
今回は、そのネタ本の話。
「ブルーオーシャン戦略 競争のない世界を創造する」は、競争戦略論がメジャーである日本では、その次に来る戦略本としてかなりの評価を得ている。
確かに面白いし、私も大いに評価している。が、やはり戦略本である。
そして、競争のない世界を創造するというのも、競争の一手段と言えなくもない。
Ⅲ部 「ブルーオーシャン戦略を実行する」 以降は、やや抽象的というか、実際に我々の身近な現場でどう具体化するのか分かりにくいところがあり、少々消化不良気味の読後感だった。7章で取り上げられているティッピングポイントについても、本書だけでは理解し辛いところがある。
そこで米国でよく売れているネタ本をご紹介する。
原注で取り上げられている Malcolm Gladwell著の "The Tipping Point: How Little Things Can Make a Big Difference" がそうだ。残念ながら、この本は日本では絶版になっているが、これを一部修正した「なぜあの商品は急に売れ出したのか―口コミ感染の法則」が入手可能だ。この本も日本では何故かあまり売れていないが、ブルーオーシャン戦略の7章の本質を知るには欠かせない本である。
この本で述べられているのは、物事の感染的な拡がり方とその仕組みだ。
口コミ感染で、アイデア、思想、製品、デザインといったものが徐々に拡がっていき、あるとき爆発的に流行することがある。
この過程で、「媒介者」、「情報通」、「説得者」という3種類の少数者が介在し、重要な役割を果たしている。
この「媒介者」、「情報通」、「説得者」という人達は、自分の属するコミュニティーで必ず思い当たる人物を思い浮かべることができるだろう。実はそれだけ身近で起こっている現象なのだ。
伝染していく対象物自体の特徴や背景の力という環境にも触れてあり、更に米国の社会学者 Everett M. Rogers がその著書 "Diffusion of Innovations" で使用して拡がった有名な「普及モデル」でいうところの、アーリーアダプターからアーリーマジョリティーへの間の感染に重要なのが「翻訳者」だと述べている。
このティッピングポイント理論は興味深いものだが、実はこの本で取り上げられている例の大部分が心理学者による心理学的実験である。
「なぜあの商品は急に売れ出したのか」というような題名がついているが、決して経営本ではない。
従って、具体的な経営的方策を期待して読むと答は得られない。
ブルーオーシャン戦略を実行するには、これを実行できる人材を見つけてきて、適材適所に配置するしかない。この人材をどう見つけてくるのか、どう養成するのかは謎のままである。
しかし、答を得るための考え方のひとつを理解させてくれるお勧めの一冊である。
アイキット ソリューションズ
生島 大嗣
今回は、そのネタ本の話。
「ブルーオーシャン戦略 競争のない世界を創造する」は、競争戦略論がメジャーである日本では、その次に来る戦略本としてかなりの評価を得ている。
確かに面白いし、私も大いに評価している。が、やはり戦略本である。
そして、競争のない世界を創造するというのも、競争の一手段と言えなくもない。
Ⅲ部 「ブルーオーシャン戦略を実行する」 以降は、やや抽象的というか、実際に我々の身近な現場でどう具体化するのか分かりにくいところがあり、少々消化不良気味の読後感だった。7章で取り上げられているティッピングポイントについても、本書だけでは理解し辛いところがある。
そこで米国でよく売れているネタ本をご紹介する。
原注で取り上げられている Malcolm Gladwell著の "The Tipping Point: How Little Things Can Make a Big Difference" がそうだ。残念ながら、この本は日本では絶版になっているが、これを一部修正した「なぜあの商品は急に売れ出したのか―口コミ感染の法則」が入手可能だ。この本も日本では何故かあまり売れていないが、ブルーオーシャン戦略の7章の本質を知るには欠かせない本である。
この本で述べられているのは、物事の感染的な拡がり方とその仕組みだ。
口コミ感染で、アイデア、思想、製品、デザインといったものが徐々に拡がっていき、あるとき爆発的に流行することがある。
この過程で、「媒介者」、「情報通」、「説得者」という3種類の少数者が介在し、重要な役割を果たしている。
この「媒介者」、「情報通」、「説得者」という人達は、自分の属するコミュニティーで必ず思い当たる人物を思い浮かべることができるだろう。実はそれだけ身近で起こっている現象なのだ。
伝染していく対象物自体の特徴や背景の力という環境にも触れてあり、更に米国の社会学者 Everett M. Rogers がその著書 "Diffusion of Innovations" で使用して拡がった有名な「普及モデル」でいうところの、アーリーアダプターからアーリーマジョリティーへの間の感染に重要なのが「翻訳者」だと述べている。
このティッピングポイント理論は興味深いものだが、実はこの本で取り上げられている例の大部分が心理学者による心理学的実験である。
「なぜあの商品は急に売れ出したのか」というような題名がついているが、決して経営本ではない。
従って、具体的な経営的方策を期待して読むと答は得られない。
ブルーオーシャン戦略を実行するには、これを実行できる人材を見つけてきて、適材適所に配置するしかない。この人材をどう見つけてくるのか、どう養成するのかは謎のままである。
しかし、答を得るための考え方のひとつを理解させてくれるお勧めの一冊である。
アイキット ソリューションズ
生島 大嗣
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なぜあの商品は急に売れ出したのか―口コミ感染の法則 マルコム・グラッドウェル (著), 高橋 啓 単行本 (2001/06) 飛鳥新社 |
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ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する Harvard business school press W・チャン・キム (著), その他 単行本 (2005/06/21) ランダムハウス講談社 |
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