Syndication
RSS2  RSS2feed

日本はスマートフォンで出遅れているのか

posted at 14:52:00 on 2011-11-21 kaz | Category: オンモード

最近のマスコミの「日本はスマートフォンで出遅れた」という論調が少し気になります。

メーカー出身の私にとっては、これまでの日本企業の戦略の延長上で考えると別段出遅れたとは思えないのです。
もっともその戦略がよいのか悪いのかは別問題ですが。

確かにワールドワイドで「新ビジネスを創る」、「新市場を開拓する」という視点から見ると出遅れているように見えますし、新しくそれらを開拓し世界をリードするというビジョンを掲げるタイプの企業にとっては出遅れたというべきでしょう。

しかし、電機産業や半導体産業にしても、自動車産業にしてもビジネスモデルの根幹を創ったのは日本ではありません。
これまでの日本企業は、アメリカなどが創ってきたビジネスモデルを高度成長時代の日本が受け継ぎ、究極までブラッシュアップして最後にはお株を奪った形で発展してきました。

それがここに至り、今では日本型だと誰もが思うビジネスモデルを韓国等の日本型ビジネスモデルに追随する各国が採用し、台頭してきたということだと思うのです。

単純にはそうなのですが、一般の方が捉えているより更に事は複雑です。

以前は先進諸国に日本が工業製品を輸出するという単純な構造だったのが変化しています。
B2Cのコンシューマ向け製品のビジネスモデルに関しては、先端のものは台頭してきた韓国や台湾に奪われ、コモディティー化したものは中国等に生産拠点が移りました。
日本型モデルが2つに分割されて新興国に移動していったわけです。

そしてB2Bの高度化した部品や機能材料のビジネスが日本に残ったということでしょう。

もちろん超円高が加速している現在、この形も変化していかざるを得ないですが。

これらのことは、私たち、つまりエンジニアリングのフィールドにいる者には明らかなことなのですが、一部のマスコミ報道等では状況を正確に把握しておらず、東日本大震災でサプライチェーンが切断されて大騒ぎをした挙句、日本の技術は凄かったといっていますね。


そして今、スマートフォンでも似たような論調が起こっています。

伝統的に、常に先端のビジネスモデルをアメリカ等から取り込んできた日本メーカーは、スマートフォンが流行ってきたところで、今急速にガラケーと呼ばれる従来型の携帯電話から生産をスマートフォンにシフトさせています。
現在はスマートフォンの出荷が全体の7割を超えたと報道されています。

しかし単純にこのことを捉えて、一部のマスコミ報道のように「日本は出遅れた」というのは如何なものでしょう。

こんなに短期間でスマートフォンに携帯電話の生産をシフトさせて大量に供給できるという事実は、各メーカーは着々と準備をしていたことを意味するのではとなぜ考えないのでしょうか。
煽る報道ばかりに目が行っているのでしょうか。

日本の携帯電話のビジネスは、キャリアが一番力を持っています。
キャリアの企画に合わせてメーカーが設計し、生産し、製品を供給しています。
日本メーカーのほとんどが国内市場しか持っていませんから、国内の状況を第一に考えます。
そして、日本市場が変化し、キャリアがやっと動いたところでメーカーがそれに合わせて生産をシフトしてきました。

当然、メーカーは販路やシェア―、販売台数を睨んで計画を立てますから、スマートフォンが一定のシェアを取るのが確実になった時点でビジネスとして成り立つことが確認でき、はじめてスマートフォンに舵を取ったということでしょう。
これは大量の人員、設備を抱えて間違うことの許されないメーカーの論理です。


さて、ここまでは私は日本のメーカーの論理に立って述べてきました。

しかし、果たして急速に変化していく世界の中で、この論理がいつまで成立するのかを考えてみた場合、世界は少々違って見えてきます。

その視点に立った場合、これまでの日本メーカーの論理は危ういものとして私の目には映り始めます。

新しい製品、そして何よりも今までになかった新しいビジネスの仕掛け=ビジネスモデルがこれからはますます求められるのではないでしょうか。

高度成長期に成功したモデルがこれからも通用するとは私には思えません。
もはや世界は先進国と日本という2軸で捉えられる単純構造ではありませんから。

この辺りの詳細を

日本能率協会が主催する JMAマネジメントスクール 【特別研究講座】

「グローバルビジネス対応力・創造力強化コース 急速に変化するグローバルビジネスの流れ、仕組みを理解し、その対応力を鍛える」


でお話しようと思っています。
興味のある方は是非ご参加ください。

更に、次の本は、「3軸構造に移行した世界で日本が生き残り、発展する方法」について書いてみたいと考えています。


アイキットソリューションズ
生島大嗣





















TrackBack(URL)

トラックバック
このエントリにトラックバックはありません
このトラックバックURLを使ってこの記事にトラックバックを送ることができます。(右クリックでショートカットのコピーをご利用ください) もしあなたのブログがトラックバック送信に対応していない場合にはこちらのフォームからトラックバックを送信することができます。.

Comments

No comments yet

Add Comments