情報家電・IT産業の潮流とゆくえ 第3回 日本のITシステムもガラパゴスなのか(大商ニュース)
posted at 11:57:40 on 2008-09-20 kaz | Category: オンモード
大阪商工会議所の機関紙 大商ニュース9月10日号に私が執筆しているコラム「情報家電・IT産業の潮流とゆくえ」の第3回 「日本のITシステムもガラパゴスなのか」が掲載されましたので、ここに再掲します。
情報家電・IT産業の潮流とゆくえ 第3回 日本のITシステムもガラパゴスなのか
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前回まで情報家電寄りの内容について書いてきた。今回はIT産業で外せない業務ソフトを中心としたITシステム開発について書いてみたい。
図表のように日本の業務ソフトは、米国に比べ作り込みやカスタマイズの比率が高い。このため日本のITシステム開発は効率が悪いという評価があるが本当だろうか。
出来合いのパッケージソフトをそのまま使わないのは、それだけ開発コストが余分に発生する。他のソフトとの整合性も悪くバージョンアップにも支障が出る。
この原因はふたつある。
ひとつは、従来型日本企業はトップダウンで物事が決まらないということだ。
よく言えば現場が力を持ちある程度自律しているのだ。何事もミドル層が提案し合議制で決まる。トップはそれにダメ出しを行う。だから現場は業務プロセスをそのままシステムにも反映しようとする。これが作り込みやカスタマイズが多い原因だ。
米国を初め多くの海外企業ではトップ層が方針を作り、トップダウンで下ろしてくる。下はマニュアル化された業務プロセスに従う。しかし日本企業では現場の裁量権が大きく米国式トップダウンは馴染みにくい。
更に日本では海外製ソフトをありがたがる傾向があり、日本の商習慣を考えずに作られた海外製業務ソフトを使いたがることが事態に拍車をかけている。
もうひとつの原因は日本ではトップが下に丸投げを行うことだ。
最近大企業ではCIOというITシステム専門の経営トップを配置することが多い。海外のCIOは企業戦略的にITを捉えるが、日本のCIOはその立場から経営的視点ではなく部門長としてコンピュータシステムを考えがちである。その結果、現場のプロセスはそのまま温存され、コンピュータシステムの作り込みやカスタマイズが多くなる。
これは一見大企業の問題のように思われるかもしれない。中小企業には大企業のように業務ソフトに高額なライセンスフィーをかけられないからそんな話は関係ないと言われるかもしれないが、体質は中小企業でも変わらない。
最近多くの中小企業にも当たり前となったHPだが、この開発に関してもトップの理解が足りず、適当に丸投げで作ってしまう例が後を絶たない。
HPはその企業の経営戦略がそのまま反映される重要なものだ。しかしトップが戦略的にコミットせず丸投げすれば、体裁はよいが形ばかりの意味のないものが出来上がる。
大企業も中小企業も、これからはITシステムを経営戦略的に捉えていき、日本だけで特殊な進化を遂げてしまったガラパゴス的な状況を変えていく必要がある。そのためにはトップ自らがその方針を明確にしてITをIT部門だけの問題として考えず、経営戦略の一環として捉えて次のステージにステップアップをして頂きたいと願っている。
<図表の説明>
日本ではITシステムの利用において、ある企業専用にアプリケーションの作り込みを行ったり、出来合いのパッケージソフトをカスタマイズしたりする割合が非常に高く、パッケージをそのまま使うことは少ない。このことがITシステム開発やひいては業務の効率を低下させている。ITにおいても日本はガラパゴス的になっているが、それはITに関連した原因だけで説明できない。
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アイキットソリューションズ
生島大嗣
情報家電・IT産業の潮流とゆくえ 第3回 日本のITシステムもガラパゴスなのか
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前回まで情報家電寄りの内容について書いてきた。今回はIT産業で外せない業務ソフトを中心としたITシステム開発について書いてみたい。
図表のように日本の業務ソフトは、米国に比べ作り込みやカスタマイズの比率が高い。このため日本のITシステム開発は効率が悪いという評価があるが本当だろうか。
出来合いのパッケージソフトをそのまま使わないのは、それだけ開発コストが余分に発生する。他のソフトとの整合性も悪くバージョンアップにも支障が出る。
この原因はふたつある。
ひとつは、従来型日本企業はトップダウンで物事が決まらないということだ。
よく言えば現場が力を持ちある程度自律しているのだ。何事もミドル層が提案し合議制で決まる。トップはそれにダメ出しを行う。だから現場は業務プロセスをそのままシステムにも反映しようとする。これが作り込みやカスタマイズが多い原因だ。
米国を初め多くの海外企業ではトップ層が方針を作り、トップダウンで下ろしてくる。下はマニュアル化された業務プロセスに従う。しかし日本企業では現場の裁量権が大きく米国式トップダウンは馴染みにくい。
更に日本では海外製ソフトをありがたがる傾向があり、日本の商習慣を考えずに作られた海外製業務ソフトを使いたがることが事態に拍車をかけている。
もうひとつの原因は日本ではトップが下に丸投げを行うことだ。
最近大企業ではCIOというITシステム専門の経営トップを配置することが多い。海外のCIOは企業戦略的にITを捉えるが、日本のCIOはその立場から経営的視点ではなく部門長としてコンピュータシステムを考えがちである。その結果、現場のプロセスはそのまま温存され、コンピュータシステムの作り込みやカスタマイズが多くなる。
これは一見大企業の問題のように思われるかもしれない。中小企業には大企業のように業務ソフトに高額なライセンスフィーをかけられないからそんな話は関係ないと言われるかもしれないが、体質は中小企業でも変わらない。
最近多くの中小企業にも当たり前となったHPだが、この開発に関してもトップの理解が足りず、適当に丸投げで作ってしまう例が後を絶たない。
HPはその企業の経営戦略がそのまま反映される重要なものだ。しかしトップが戦略的にコミットせず丸投げすれば、体裁はよいが形ばかりの意味のないものが出来上がる。
大企業も中小企業も、これからはITシステムを経営戦略的に捉えていき、日本だけで特殊な進化を遂げてしまったガラパゴス的な状況を変えていく必要がある。そのためにはトップ自らがその方針を明確にしてITをIT部門だけの問題として考えず、経営戦略の一環として捉えて次のステージにステップアップをして頂きたいと願っている。
<図表の説明>
日本ではITシステムの利用において、ある企業専用にアプリケーションの作り込みを行ったり、出来合いのパッケージソフトをカスタマイズしたりする割合が非常に高く、パッケージをそのまま使うことは少ない。このことがITシステム開発やひいては業務の効率を低下させている。ITにおいても日本はガラパゴス的になっているが、それはITに関連した原因だけで説明できない。
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