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失敗準備症候群の罠(大商ニュース)

posted at 23:50:22 on 2007-03-04 kaz | Category: オンモード

先日、大阪商工会議所が発行する大商ニュース(2月25日)に私のコラムが掲載されました。
「中小企業成長の秘密」と題して三ツ松新氏と執筆を分担していています。
(全5回、私は4回と5回を担当)


以下に再掲します。

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「中小企業成長の秘密」 第4回

■■失敗準備症候群の罠■■

【戦略を動かす組織】

これまで3回に渡り、三ツ松新氏が脳生理学的観点から議論を展開された。
この方向に沿い、よいアイデアを創造し、完全無比な戦略を練り上げたとしよう。
しかし次に待ち構えるのは、これらを動かす組織の問題だ。
もちろん、世の中に理想の組織は存在しない。組織は千差万別である。これを構成
する人員も、経験もスキルも違う。組織の風土も異なれば、常識すら違う場合がある。
雪印の事件があれほど大きく報道されたにもかかわらず、不二家が同じような間違
いを犯した。これはどうして起こるのだろう。組織行動に関する問題は奥が深く、頭
ではわかっていても組織、およびこれを構成する人間は、なかなか適切な行動を取る
ことができないことが非常に多いのは皆さんご理解されていると思う。
ここでは、人・組織に関して多くを述べることは紙面の都合上できないが、興味深
いトピックを紹介し、考察を加えてみたい。

【旗本と外様】

組織には上司と部下が存在する。いくらフラットな組織がもてはやされていても、
人が複数いる場合は、マネージメントする側とされる側に分かれる。この上司と部下
の間で起こるのが「失敗準備症候群」という現象だ。
一般に上司は部下に「できる」「できない」のふたつのレッテルのどちらかを貼っ
てしまう。問題は、充分に観察し様々な事実・データから分析してこの区別を行って
いないということだ。多くの場合は、第一印象で一瞬に「できる」「できない」のレ
ッテルが貼られてしまうのだ。
上司は「過去の経験」=「成功体験」からこれを行うのだが、組織行動的な研究に
よれば、自分では充分に熟考・分析し、データに基づいて部下を評価していると思い
込んでいることがほとんどだ。
「できる」=「旗本」 に分類された部下は幸せである。上司はこの部下を信頼して
いるので、少々の失敗には目をつぶる。監視は緩く、失敗しても上司が気付くまでに
挽回できる。成功すれば信頼は増す。問題は外様に分類された部下なのである

【誰も悪くない】

一度外様に分類されてしまうと、上司の目は厳しく、一挙手一投足まで監視される。
上司は経験上そうしないと組織の業績に悪影響を与えると思い込んでいる。この部下
は、まだまだ能力がなく信用できないので自分がきちんと指導しないといけないとほ
とんどの場合善意から信じているのだ。
たとえ部下がよい提案を持ってきても、それを真剣に取り上げようとせず発言を遮
り、事細かな指導、説教を始める。初めから失敗をお膳立てしているのだ。困ったこ
とに、上司には悪意も自覚もまったくない。
部下は常に監視され、何かというと説教が始まるので、いつしか提案はせず、言わ
れたことだけをすることを学ぶ。嵐が去るのを待つのだ。
もっと悪いことに、自分が信頼されず頼りにされないことがわかった部下は、ひが
み、同類を求めては上司や組織の悪口を言うようになる。これが組織に悪影響を与え
る。

【聞いて聞いて聞きまくる】

誰にも悪意がなく、誰も悪くないのにどうしてこうなってしまうのだろうか。
もうお分かりだと思う。部下が失敗する準備を知らず知らず上司が用意しているか
らだ。
これを解消するには、方法はひとつしかない。上司が部下を印象で分類しているこ
とを自覚し、これを改め、部下の提案や発言、ときには愚痴までを聞いて聞いて聞き
まくる姿勢が必要になる。90%聞く側に回るくらいがちょうどよい。こうすること
でしか相互の信頼は回復しない。
いくら適切な助言、指導、指示でも、聞きたくない相手の言うことは何も聞きたく
ないのが人間なのだ。

いくしま・かずし
大手電機メーカーで映像機器などの研究開発、情報システムに関する企画や開発に取
り組み、様々な経験を積んだ後、独立。
既存企業、ベンチャーのビジネスモデルと技術の評価、技術戦略と経営に関する
コンサルティング、講演などに携わる。現在は、イノベーション戦略プロデューサー
として活動中。
http://www.i-kit.jp/
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アイキット ソリューションズ
生島大嗣

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