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メー ルマガジン コラム バックナンバー |
| アイキット代表 生島 大嗣 がコラムを執筆しているメールマガジンのバックナンバーです。 |
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1. 「技術の経営 − 顧客志向だけでは勝てない」 |
| ◆ 技術戦略思考の実現 ◆ |
| 2003年 7月 16日 | |
| ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 技術の経営−顧客志向だけでは勝てない− ● 1212部発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ ■ ◆ 技術戦略思考の実現 第1回 ◆ ■■ ■■ 「ビジネス設計のための技術戦略」 ■■■ ■■■ アイキット <技術戦略マーケティング> 代表 生島 大嗣 ■■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 技術を背景に持つ企業がそのビジネスを運営するにあたって大切なことがいくつかあ ります。私のコラムでは、実例を交えながらそれらについてお話していきたいと思い ます。 第1回目は「ビジネス設計のための技術戦略」と題して、技術戦略をビジネスに活か すための包括的な考え方について述べていきます。 ▼ ビジネスの構造 私はビジネスを次のような3層の階層モデルで考えています。 ┌───┐ │表 層 │ビジネスが回るところ。<ビジネスモデル、商品、サービス> └───┘ ↑↓ ┌───┐ │中継層│深層と表層を中継するところ。<戦略とプロセス、人・組織 等> └───┘ ↑↓ ┌───┐ │深 層 │コンセプト、理念に相当するところ。<経営理念、基礎技術力> └───┘ この全てを自社で完結できれば、それはそれで強みになるのでしょうが、全てのビジ ネスにおいて自社で完結できなければ事業が成立しないという訳ではありません。逆 にどことどうアライアンスを組むか、どこから調達してくるか、その独自のコネクシ ョンを持つことがその企業の強みになる場合もあるのです。 さて、数年前のITバブルを少し振り返ってみましょう。ビジネスモデル特許が叫ば れ、Web上でビジネスを行うと発表したベンチャー企業に多額の資金が集まりまし た。しかし、この時期に誕生した殆どのIT系ベンチャーは独自の基礎技術を持って いなかったのです。ですからビジネスモデル特許という表層での囲い込みが重要視さ れたのでしょう。 Web上のビジネスを組み立てるのに必要なシステムは、市販のパッケージやオープ ンソースのコンピュータシステムを利用するのが一般的です。 お金が回る表層のビジネスに必要なビジネスモデルのアイデアだけを元に、社員を雇 い開発を行う企業が続出しました。 ビジネスモデルを実現するシステムの開発は、自社で行う方法以外にもいろいろと考 えられます、極端な場合は、全てを外注で開発し、外注で管理することも可能なので す。 ITバブル期には、潤沢な資金が簡単に集めることができたため、このような戦略を 取る企業も数多く存在したのです。 勿論しっかりと練られたビジネスを現在に到るまで展開している例外的な企業もあり ますが、この手の企業のほとんどが今は姿を消しているのは言うまでもありません。 ▼ メーカーの論理か、市場への追随か 一般に技術系の企業にはアプローチの傾向が2種類存在しています。 上述のITバブル期の例は、独自のコア技術をもたない企業の極端な場合ですが、こ の対極にあるのが、上図における深層部分の自社技術を元に事業を行っている企業に 多いシーズ指向型企業です。 シーズ指向かマーケット重視型か? この議論は、同じく「技術の経営」で伊藤さんが詳しく展開されておられるのでそち らを参考にして頂きたいのですが、私はこの両者のバランスも重要になってくると考 えています。一般の企業では、この間で揺れているのではないでしょうか。 先日あるメーカーA社の部品事業部の方とお会いしました。 そのときお話されていたA社の問題点と解決策は次のようなものでした。 ・部品事業も海外での生産・販売が約半分を占めている。 現場の営業は英語力が重要視されるので文系出身者がほとんどであり、技術的な問 題点を把握しきれていない。このため問題を技術部隊にうまく伝えることができず 効率が悪い。 ・短期的な解決策として、国内の技術者を営業に同行させるようにした。 将来的には技術が分かる営業部隊を作るために、現在の営業に技術を教える研修を 行いたいと考えているが、部品事業部のトップが変われば方針が変わるのでこの方 法にも不安がある。 A社はどちらかと言えばシーズ指向型になっていると言えるのですが、マーケットの ニーズを把握して技術部隊に伝えることで現状の問題を解決し、将来のニーズに合っ た製品開発に繋いでいきたいと考えています。 A社の取るべき方策はこれでいいのでしょうか? ▼ 戦略を形にするもの 技術者を現場に同行することで、マーケットのニーズを開発現場の人間が把握するこ とができます。また市場をよく知ることで新しい製品の開発にも繋がっていく可能性 も大きくなるでしょう。よい循環が生まれる可能性があるのです。 しかし、この効果は付随的なものに過ぎません。この効果を定着させ活用していくに はもっと積極的な方策が必要になってくるのです。 A社が行おうとしている、また行っているビジネスを支える戦略と実行プロセスをも っと明確にしていくことが重要なのではないでしょうか。この部分が上図の中継層に 当たるのです 現場に同行する技術者と営業の人間双方にもメリットが生まれる仕組みが必要でしょ う。これがあると、放っておいてもうまく循環が回り始めます。 では、その仕組みとはこの場合どんなものが考えられるでしょうか。 技術者が技術の現場から一時的に離れる場合、それによってその技術者が不利になる ような状況をできる限り避けなければなりません。 例えば人事施策です。技術だけでなく何らかの形で営業や企画でも成果を上げた技術 系社員を正しく評価することが重要ではないでしょうか。 また、技術が営業現場に出ていくということが奨励される企業風土も必要でしょう。 このためには、組織の壁を乗り越えなければなりません。 管理職の意識にも変化が必要でしょうし、これを支える何らかの制度も必要になって くるでしょう。人だけでなく、組織の評価基準も再検討しなければなりません。 技術者出身の人間を営業に迎えるというローテーションも考えられます。 これらを定着させ機能するようにするには、ある程度の期間と地道な活動が必要にな るのは明らかです。 このように、付随的に得られた短期的メリットを長期に渡って安定したものに変える 多角的な戦略とプロセスが必要になってきます。 これらが確立され定着すれば、事業部のトップが変わると方針が変わるというデメリ ットも最小に留めることができるのではないでしょうか。 このように企業を3層の階層モデルで考え、各要素を単純化して組み合わせることで それぞれの企業に必要な戦略と実行プロセスが見えてきます。 次回からは、実例を元により具体的な形でこれらを考えていきます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (C) Copyright 生島大嗣 HP http://i-kit.jp 連絡先 gikei@i-kit.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ご意見・ご感想はお気軽に】 tm-mag@freeml.com までお寄せください。皆さんのご意見をできるだけ誌面に反 映させて参りたいと思います。 また、執筆者に質問、あるいは、議論をしたい方は、技術の経営の公式メーリング リスト 技術の経営メーリングリスト http://infoscape.jp/tms/ml.htm に参加の上、メーリングリスト上でお願い致します。 また、メールアドレスを公開している著者は、個人的に質問もOKです。ご遠慮な く、メールをください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |
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