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メー ルマガジン コラム バックナンバー |
| アイキット代表 生島 大嗣 がコラムを執筆しているメールマガジンのバックナンバーです。 |
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1. 「技術経営メール」 |
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生島の技術戦略思考 ◆ 第6回 |
| 2005年 3月 7日 |
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| ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ 技術経営メール 第46号 2006年3月7日 日経BP社 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 「技術経営メール」はイノベーション(新製品/新事業開発)に取り組むリーダーに 向けた電子メール配信サービスです。テクノロジーを生かしてビジネスを創造する ためのヒントを「ビズテックプロジェクト」が毎週火曜日にお届けします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■生島の技術戦略思考第6回 自律して動く自立した組織へ■■ 変化は少しずつ、だが後戻りしない形で確実に現れてきている。 もの作りに関して、「よいものを作れば売れた時代」は長く続いた。 もの作りが成熟していない時期には、「よいもの」自体が価値を持ち、 それを見極める目を持つのが賢い消費者であった。 ところが、もの作りの技術が成熟してくると、その状況は変わり始める。 圧倒的な技術的優位を持てる製品なら問題はない。 しかし、昨今のデジタル機器は従来のアナログ機器と違い、生産技術や設計の ノウハウが競争力の差に直結しなくなっている。このため、アナログ時代の 垂直統合型のメリットが失われ、デジタル機器の新製品はあっという間に陳腐化する。 以前は製品の機能を競うことが重要視されていた。ときに購入側の意思を無視した 機能競争が行われていた。供給側が主導権を持っているときはそれでもまだよかった。 しかし今や、主導権は買う側に移ってしまった。コンシューマー商品を見れば、 性能はよくて当たり前、サービスもよくて当たり前である。 その上で、感動と驚き、共感が求められる。 こうした変化を自らのビジネスモデルにどう組み込んでいくか。 そのための人と組織はどうあればよいのか。今、ここが問われている。 対応を誤れば大きな組織でもあっという間に傾く。いや、大きな組織ほど対応が難しい。 過去の時代に即して作り上げられた組織、過去の成功体験が染み付いている人、 いずれも変化に対応できなくなっている。 これまで日本の組織において、管理は行われていたが、本来の意味のマネジメントは 行われておらず、その代わりに現場が柔軟に状況の変化をうまく取り込んでいた。 私はこう考えている。このやり方で業務の遂行は十分可能だったし、ルーティン化・ マニュアル化していないことで日本の現場はかえって強味を発揮できた。 高度成長期は進むべき方向がある程度決まっており、小さな変化なら現場で柔軟に 対応できたこともある。 しかし最近の環境変化を、現場はなかなか吸収できなくなっている。 環境の変化に合わせて組織を変えられない企業が少なくない。 ここでいう組織の変化には、表面的な組織改変だけではなく、 社風や組織風土など人の考え方に起因する諸々に関する変化も含んでいる。 こうなるとマネジメント不在の弱点が出てくる。大きな変化に自由な発想で柔軟に 対処する能力を持った人間が現場に少ない、という点も弱みになる。本来、お客様の 求めるものに共感し、お客様の考えを社内に持ち込めるのは現場なのである。 もの作りに関しては、お客様と接する現場と、もの作りの現場が離れているという 問題もあり、これについても解決しなければならない。距離を克服し、 お客様の変化や意思を汲み取ったとして、今度はお客様から得た情報をもの作りに 活かす仕組みを作る必要がある。 一方、従来製品の開発に加え、新しい技術や製品、サービスを生みだし、 次の、そしてそのまた次の成長曲線を生み出す仕組みを考えないといけない。 既存の製品を新たな市場で展開するビジネス上の革新も今まで以上に求められている。 これらは技術革新にとどまらず、プロセスや仕組みの革新まで含めた、 正にイノベーションである。このイノベーションを生み出す仕組みが今、 求められている。そして、これらの仕組みを支えるのが人であり、組織である。 当たり前の発想や、ルーティンとなった日常の仕事の延長からは、なかなか次の 成長曲線を描く製品やサービスは生れてこない。人のやる気を引き出し、面白い 企画や新しい技術の芽を育てるためには、環境から変える必要がある。 異能の技術者の力をビジネスに積極活用していかなければならない。 そのためには経営トップがダイナミックに動くことが大事だが、現場一人ひとりが 自立し、自ら考える自律した組織になることも求められる。 そうすることで時代の変化に対応し、新しい成長曲線を描く方策が出てくる。 これができて初めて、スピードの点でも発想の点でもイノベーションが可能になる。 それにはまず、能力のある人間を、その能力を発揮できる環境に置く以外にはない。 能力のある人間は、信頼され、責任を与えられると自ら動き始めるものである。 自分の力を発揮できる環境に置かれると、人間は力を発揮できるようになる。 自分が必要とされていること。決定に関与できること。これらが満たされると、 人は能力を発揮する。 今伸びている企業は、これらの仕組みや風土、人材の育成策をうまく一つの構造の 中に取り込んだ企業である。トップが方向を指し示し、下がその意を汲んで、 創意工夫に励むというわけだ。 現実はどうだろう。残念ながら、優秀な人が多く入社する大会社ほど、 優秀な人がその優秀さを発揮できる環境にいないことが多い。 優秀な人間が現場で腐ってしまうと、やがて企業全体にその影響が及ぶ。 ダメージはボディブローのように長い時間をかけて効いてくる。 この場合、なかなか業績不振の直接的原因は分からないものだ。 自律的に動く人や組織をその中に持つ企業こそが、今の時代に素早く対応できる。 こうした企業を作り上げる方法は一通りではない。企業の環境も歴史も風土も、 そして人も違うからだ。間違いないのは、これができていない企業に手厳しい 現実が待っているということだ。 生島 大嗣 (いくしま かずし) アイキットソリューションズ代表 http://www.i-kit.jp/ 大手電機メーカーで映像機器などの研究開発、情報システムに関する企画や 開発に取り組み、様々な経験を積んだ後、独立。 既存企業、ベンチャーのビジネスモデルと技術の評価、技術戦略と経営に関する コンサルティング、講演などに携わる。 現在は、イノベーション戦略プロデューサーとして活動中。 執筆しているコラムのバックナンバー http://www.i-kit.jp/biz/category/blog/9 生島ブログ「日々雑感」 http://www.i-kit.jp/biz/category/blog/7 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■前号記事再掲 宿輪の眼 金融にできる自然保護■■ 入行3年目の90年1月、筆者は初めて海外勤務する機会に恵まれた。 シカゴに赴任し、先物(Future)などデリバティブ取引を担当したのである。 シカゴには1848年に開設されたアングロサクソン系のCBOT(シカゴ商品取引所)と 1898年に登場したユダヤ系のCME(シカゴ商業取引所)がある。 先物取引を開発し、育てあげたのは両取引所である。 当時、筆者は取引所の企画担当者に会って、新しい先物取引商品の内容を検討する 仕事も手掛けた。この時以来、先物やオプションといったデリバティブを筆者の 専門分野の一つとし、研究を続けている。 シカゴの勤務中に「排出権先物」という「環境先物」が登場した。 確か、亜硫酸ガスの排出権先物であった。亜硫酸ガスという単語に出会うのは 初めてで、辞書を引くまで意味が分からなかったことを覚えている。 そもそも、排出権取引という概念が日本にはなく、当初は全く理解できなかった。 しかし調べれば調べるほど興味深いものであった。排出権取引は自然と金融という 一見すると結び付きにくいものを結びつける、画期的かつイノベーティブな 金融商品だった。 排出権とは、簡単に言えば、政府などの公的機関が各企業に割り振った有害物質の 排出認可量のことである。資金と同様に、各企業で過不足が発生した場合、それを 「融通」することができる。 最近では排出を抑えるインフラの開発によって、新しく排出権を得ることもできる。 重要なのは、排出管理が自然を保護するために必要であるということである。 温暖化や異常気象は排出と密接な関係にある。排出権が先物取引という一般的な 投資金融商品になることによって、一般の人々(投資家)がこの取引を通じ、 自然保護に関係し、理解も深めていく。 普段は関係が薄い自然と金融が結び付いたのである。 昨年、世界の先物専門家が集う「世界先物フォーラム」に参加した。 開催地はシカゴであったので、旧知の先物取引所の企画担当者らと面談できた。 筆者が驚いたのは、「京都議定書」にサインしていない米国にもかかわらず、 環境先物が活発に取引されていたことである。 取引所の担当者に聞いてみると、環境先物取引が活発な理由は「排出権取引を 手掛ける企業は、自然保護に関心を持っているとみなされるので、企業イメージが 良くなり、株価にも良い影響が出る」ということらしい。 一方、日本では、排出権取引はもちろん、先物取引自体が社会に浸透していない。 しかし今後は、環境先物が日本の先物取引を牽引していく可能性があると考える。 そして、その担い手は関西になるのではないかと考える。 なぜ関西か。先物取引は大阪の堂島米会所が発祥の地である。 なんと江戸時代に、米の現物に加え、今日でいうところの「先物」が取引されていた のである。さらに、環境問題は「京都議定書」にみられるように関西にゆかりが深い。 もちろん関西は自然が豊かである。 そこで関西地域の取引所において、アジアに向けた環境先物を導入すればよい。 先だって、米国の環境先物の取引所が日本進出すると報道されたが、 先を越されてはならない。 日本の金融は江戸時代には世界一の優れた仕組みを誇っていた。 金融関係者はもっと自信をもって取り組むべきと考える。 本稿はあくまでも個人的な意見です。 宿輪純一(しゅくわ・じゅんいち) エコノミスト・東京大学大学院担当教官。87年慶應大学経済学部卒。 富士銀行(みずほ銀行)入行。98年三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に移籍。 UFJホールディングス経営企画部・UFJ総合研究所国際本部等を経て、 合併により、現在、三菱東京UFJ銀行国際企画部上席調査役(アジア新金融統括)。 専門は、国際金融・金融・決済、国際経済・マクロ経済、企業戦略、映画評論。 当局の各種アジア経済・金融プロジェクト委員。 新刊『アジア金融システムの経済学』(日本経済新聞社)は2月28日発売。 オフィシャルWebサイトは http://shukuwa.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■引越し先はNBonline■■ 技術経営情報を発信してきた「ビズテックプロジェクト」の引越し先が決まりました。 『日経ビジネス オンライン』という新しいWebサイトです。 日経ビジネス オンラインは4月3日、オープンします。 http://business.nikkeibp.co.jp/ 技術経営関連情報をこのサイトの中で提供するとともに、このWebサイトと連携する 紙媒体も別途、発行予定です。ご期待ください。 技術経営メール責任者 ビズテックプロジェクト担当 谷島 宣之(やじま のぶゆき) mailto:gkm@nikkeibp.co.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■日経ビズテック第1号〜第10号 発売中■■ 技術経営戦略誌「日経ビズテック」は一般書店、Web書店で発売中です。 http://bpstore.nikkeibp.co.jp/cgi-bin/booksearch/booksearch.cgi?index=books& top=0&search=%1B%24B%25S%25%3A%25F%25C%25%2F%1B%28B&submit.x=0&submit.y=0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■技術経営に関連するサイトご案内■■ 以下のサイトで「技術と経営」にかかわるコラムを発信しています。 『記者の眼』(ITプロフェッショナル向けコラム) ★2006年3月6日更新 Web2.0を日経コンピュータは取り上げるべきか? http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20060303/231716/ 『さよなら技術馬鹿』(技術者向けサイトTech-On!におけるコラム) ★2006年3月1日更新 ダイソン本人に聞く「how to do a Dyson」 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060301/113857/ 『経営の情識』(経営とITを考えるコラム、日経ビジネス読者限定) ★2006年2月10日更新 「情報システム担当エンジニアを認知して 下さいますようお願い申し上げます」 http://nb.nikkeibp.co.jp/ 『不屈の経営』(ビジネス継続性マネジメントをテーマにした特別番組) http://nb.nikkeibp.co.jp/indomitable/ ============================================================================ ◆本メールは送信専用メールアドレスから配信されています。 このままご返信いただいてもお答えできませんのでご了承下さい。 ◆本メール掲載の内容に関するお問い合わせ、ご質問、ご意見は mailto:gkm@nikkeibp.co.jp までお願いします。 ◆広告掲載をご希望の方は mailto:gkm@nikkeibp.co.jp へお問い合わせ下さい。 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