アイキット ソリューションズ

   
メー ルマガジン コラム バックナンバー

  アイキット代表  生島 大嗣 がコラムを執筆しているメールマガジンのバックナンバーです。


 
2. 「ビジネスにマーケティングを走らせよ う!」

      ◆ 技術屋の視点 ◆


2004年 9月 8日

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       『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』
             (週刊☆ビジマ)

    eビジネス,マーケティング,経営戦略を考えるためのヒント

   http://www.mankai.biz/        2004/09/08発行 No.175
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(1)技術屋の視点 〜 ビジネスモデル・技術評価の裏側 〜
                    技術戦略コンサルタント 生島大嗣

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        http://www.mankai.biz/からご覧になれます。

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☆技術屋の視点 〜 ビジネスモデル・技術評価の裏側 〜

           正常性バイアスって知ってますか?

                    技術戦略コンサルタント 生島大嗣
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アイキットの生島です。

私は正常性バイアスという言葉自体は以前聞いたことがあり知っていたのですが、
普段あまり気にしない言葉です。ところが、先週のNHKの番組「ためしてガッ
テン」を見ていて少々気になりました。

番組のHPに「災害発生!逃げ遅れの心理大実験」として、下記のページに要約
がありますので参考にしてください。
http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2004q3/20040901.html

災害時に、この正常性バイアスが働いて避難等が遅れることが指摘されているそ
うです。人間は非常事態では、ひとりでいるときより複数でいる場合の方が圧倒
的に逃げるという行動が遅くなるという現象があるそうです。

ひとりでいると、異変に気付いた場合に不安になりすぐ行動するのですが、複数
でいると互いの行動を観察して、「あの人が平然としているからまだ大丈夫だ」
というように正常だと思い込もうとする力が働くというのです。

ひょっとすると、自分だけ大騒ぎするのは格好悪いというように考えるのかも知
れません。

私は、この心理は災害時だけでなく、日常の生活でもビジネスのシーンでも多々
起こっているのではないかと思ったのです。



▼ 格好悪いでは済まされない

ビジネスのシーンなどで、「自分は少々不安に思っているが、誰も問題にしてい
ないから自分から言い出すのはやめよう」と思い、せっかく問題点に気が付いて
いながらそれを見過ごすということがありませんか?

例えば、先輩が提案した内容に問題があると思っているが、上司も承認しそうだ
し、問題点を指摘したら波風が立つとか、解決を自分がしないといけないことに
なるという理由で敢えて問題提起をしないということがあるでしょう。

もっと単純に、単に誰も言い出さないのでそれで正しいのかも知れない、もし自
分が言い出して間違っていたら格好悪いから言わないでおこうという理由からか
も知れません。

ところが実際には、往々にして「あのときに言っておけばよかった」という結果
になりかねないのです。


また、誰かが問題を提起したとしても、全員がそれを阻止しようとする動きに出
ることがあることも考えておかないといけません。

このことも、正常性バイアスのひとつの現われかも知れません。



▼ 思い込みが招く結果を考えよう

これも正常性バイアスと言えると思うのですが、よく思い込みが正常な判断を誤
る原因になることがあります。

私たちの日常の心理として、「これはこうなるに違いない」とか「きっとこうだ
から問題は起こらないだろう」とか思い込んでいることはありませんか。

これらの原因として、単純にそう思い込んだ方が楽だからというものが考えられ
ます。

例えば、「これはまだ世の中にないから売れるに違いない」と考えて市場調査も
せずに製品を投入することがあるかも知れません。

技術に関する場合は、まだ他社が考えていないに違いないと安易に考えて特許調
査を先延ばしにすることがあるかも知れません。

日常の生活でも、「カメラは彼がきっと持ってきてくれるだろうから、私は持っ
て行くのをやめよう」と考え、結局誰も用意してこなかったということがあるで
しょう。


これらは、ちょっと筋道を立てて考えれば、または労力を惜しまなければ簡単に
解決したかも知れない問題でしょう。

何事も最初に物事の上流で対策を打っておいた方が、事態が動き始めてから手を
打つより格段に楽なものなのです。



▼ 思い込んだ結果が大変なことに

以前のコラム「私が契約をお断りする3つの理由」
http://www.i-kit.jp/biz/bijima/bijima04.html
でも取り上げた関西のある会社、D社のエピソードです。

D社は、インターネット上である「技術」を用いてコンテンツの配信ビジネス展
開を考えていました。

D社のビジネスモデルでは、このコンテンツを作成する技術はD社のお客様向け
のソフトウェアには組み込んでいませんでした。

お客様が作成したシートをからD社の社員がソフトウェアを用いて生成してお客
様に送付し、これをお客様が使用するソフトウェアで利用する形を取っていまし
た。

実際には、このコンテンツを生成する作業はアウトソースされ、D社の中国の提
携企業でのルーティン作業で行っていました。しかし、このことがD社のソフト
ウェアの価格を高いものにしていたのです。


私はD社に対して、コンテンツの生成部分をお客様に販売するソフトウェアに組
み込むことを提案したのですが、D社のエンジニアは、「この作業はノウハウが
ないとできない。お客様に作業させてもクレームがたくさん来るに違いない」と
反論したのです。

私は、「お客様が作業した方がビジネスモデルとしてすっきりするし、アウトソ
ース部分を無くすことができるので、結果的にソフトウェアの単価もかなり安く
できる。技術的な問題は技術で解決した方がよい」と申し上げたのですが、残念
ながら取り合ってもらえませんでした。


最終的に私はこの会社の仕事は請けなかったのですが、約半年後にある記事を目
にして私の判断が正しかったことが分かりました。

その記事は東京のある会社の新製品発表に関する記事でした。その記事によると、
この新製品は、D社のソフトウェアに正に私が提案した機能を組み込んだものだ
ったのです。もちろん価格もD社のものより格段に安く設定されていました。



▼ もう一度見直してみよう

上の例は、自分は正しいという思い込みにより、会社のビジネスモデルそのもの
が破綻してしまうという恐ろしい結果を招くことになるという厳しいものです。

確かに、ある程度までビジネスモデルを作り上げ、しかも既に実際に動き始めて
いるというフェーズにある場合、ビジネスの見直しは非常に大変で労力とコスト
がかかります。

しかし、何事もおろそかにしては通れない道があります。
それが、ビジネスの根幹に関わるものであるならなお更です。

人間は往々にして、自分が築いてきたものが間違っていると思いたくないもので
す。苦労してきたものなら一層そう思うに違いありません。
「ここまで苦労してきたのだから、これは正しい、正常だ」と。

でも、もう一度見直してみるのも大切です。
自分の前提が、本当に筋道が通ったものか、そうでなく思い込みによるものかど
うかを。

そしてもし、それが思い込みであることに気付いたなら、修正する勇気を持つこ
とを迷ってはいけません。



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尚、お申し込みは支援センターに直接お願いします。


■ 筆者プロフィール
技術戦略、経営の総合コンサルティング
アイキット 代表  生島 大嗣(いくしま かずし 本名 生島 一司)
http://www.i-kit.jp/

<略歴>
大手家電メーカーの研究開発部門にて、ビデオ、液晶等映像機器、地上波ディジ
タルテレビ等の研究開発、コンピュータシステムに関する企画、開発等に取り組
む。独立後、ベンチャー企業や既存企業の技術、新規ビジネスモデルの評価及び
構築に関するアドバイス、講演等に携わる一方、国内外の企業間ビジネスアライ
アンスコーディネータとして活動している。

大阪商工会議所 ITビジネスフォーラム コーディネータ
関西IT共同体 コーディネータ

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       『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』
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【編集後記】

◆いよいよ、今やっているプロジェクトが大詰めで、延長か打ち切り化の瀬戸際。
延長したいよ〜〜、という心の叫びは通じるのか。今日も数社、コンタクト。

◆最近、ISIS編集学校の生徒さんからジャズを勧められて聞いていますが、いい
ですね。ニューヨークにぴったり!←単なるミーハーです。(コヤマン)

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