|
| |
メー ルマガジン コラム バックナンバー |
| アイキット代表 生島 大嗣 がコラムを執筆しているメールマガジンのバックナンバーです。 |
| |
2. 「ビジネスにマーケティング☆を走らせよ う!」 |
| ◆ 技術屋の視点 ◆ |
| 2003年 11月 28日 | |
|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』 (週刊☆ビジマ) eビジネス,マーケティング,経営戦略を考えるためのヒント http://www.mankai.biz/ 2003/11/28発行 No.074 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ====================================================================☆彡 ☆『技術屋の視点 〜 ビジネスモデル・技術評価の裏側 〜』第11回 とんがった人々 技術戦略コンサルタント 生島大嗣 ======================================================================== アイキットの生島です。 今、シリコンバレーに来ています。 こちらにやってきた目的は、深層の新しい技術やこの技術に繋がった新製品を探 し出して日本に持ってくることです。 こちらで最初に感じるのが、人々の感覚が日本とまったく違うということです。 同時に、アメリカの他の地域とも違うのです。 では、どう違うのでしょうか? <お断り> 私が今回こちらのベンチャーといろいろと出会って知った具体的な内容はNDA (Non-Disclosure Agreement:守秘義務契約)のためにお伝えできませんが、こ ちらの今の雰囲気をできるだけお伝えしたいと思います。 ▼ とんがっているか? こちらの日本人はよく「とんがった技術」とか「彼はとんがっている」という表 現を使います。 もちろん誉め言葉。 これは、独自性と独立性を重んじる気性を形容する言葉なのです。 少し前の話です。 あるベンチャーが大きくなり、人を入れる時期に来ました。 彼等は、USB1.0の技術が分かる人材を探していて求人を出していました。そこに 応募してきた人の中にUSB1.0の開発経験を持つ者がおり、早速インタビュー(面 接)したそうです。 ところが、このエンジニアは、 「USB1.0はもう経験した。私はUSB2.0をやりたいので、そういう話だったら辞退 する」 と言って帰ってしまいました。 そう、彼はとんがっていたのです。 ▼ 交渉、交流の方法論 以前、あるベンチャーと具体的な交渉をするためにこちらに来たときの経験です。 交渉相手の社長が、「他に私の知人で事業をしている者に会いたいか?」と問い 掛けてきました。私は「もちろん会いたい」と答えたのです。 しかし、結果は誰にも会えませんでした。 これには理由があります。 日本の感覚でとにかく人と会い、話をしているうちに何か接点が見つかるだろう などということは、こちらでは期待できません。 仕事で人に会うには、必ず会う目的が必要なのです。 ですから、日本流に 「近くまで来たので寄らせてもらいました。最近どうですか? 」 なんていうのは通用しません。 人と会う場合は、アポを取り、挨拶の後、用件を単刀直入に切り出すのが通例で す。こちらに目的があり、互いの利害が一致すればメール1本で誰にでも会える のです。 また、ミーティングの目的をアピールできるように組み立てて、相手に説明、即 ちプレゼンできなければ誰も話をまともには聞いてくれません。 実はこのアピールの方法には定石があり、MBAでもこれを教えています。 こちらのWebサイトの多くも、この定石に従って作られているのです。 私がこちらに来た目的のひとつは、まずできるだけ多くのベンチャー企業に会う ことでした。 これにちょっとした仕掛けとノウハウが必要です。 この仕掛けとは何でしょうか? もうお気付きだと思いますが、種を明かせば彼らが納得できるミーティングの目 的を用意することなのです。 日本にいると、こちらのやり方はなんだか単純、直接的過ぎてそんなにあからさ まにズバズバ言わなくてもいいじゃない? なんて思うこともあるのですが、こ ちらに来るとこれが自然に思えるのが不思議です。 お金のこともあまり言わないのが日本流。 こちらでは、最初に「いくらだ?」と聞いてきます。 ビジネスにはお金がつきもの。 当然優先順位は高いのです。 これに慣れると、日本流がまどろっこしく思えるのですから、これまた不思議な ものです。 ▼ プライベートのオープン性 仕事とは逆に、プライベートでは会社を超えたネットワークが存在します。 とあるお宅のサンクスビギンズディーのパーティーに出席しました。 パーティー参加者の国籍は、アメリカ人、日本人、ドイツ人等。 彼らが勤める会社は、Apple、ebay、Google、HP、Motorola etc. と超有名どこ ろがずらり。 「あそこは今度上場し、300人の億万長者が出るよ」 「おまえのところの有休休暇はどういうシステムだ? 休みは何日あるの?」 などの会話も聞こえてきます。 気が付くと、部屋の隅では転職の相談が始まっていました。 シリコンバレーに来ると、日本が窮屈に感じます。 ここには、アメリカの他の地域とも違う特殊性があるのです。 人材の流動性、オープンな気質、背広は着ない等です。 こちらには、様々な国籍の人が集まっています。 最近多いのが、インド人と中国人。 オフィスを訪れると彼らの存在に気が付きます。 このため、ネイティヴでないブロークンイングリッシュも飛び交っており、こち らの下手な英語でも聞いてくれようとしてくれます。 これは大いに助かります。 上で述べたようにプライベートでの人の交流も盛んで、ある技術で困ったという 場合には、町で会った知り合いに気軽に解決方法を聞くというようなこともかな りあるようです。 最先端の技術に関わる場合は、さすがに教え合うようなことはありませんが、そ の内容が枯れた技術の場合は力になってくれるのです。 このオープンな関係にも驚きます。 そもそも日本では、異なる会社の技術者が日常プライベートで交流するなどとい うことがあまりないのです。 これもパーティーで耳に入ってきた会話です。 「あいつは見かけないがどうしてるの?」 「ちょっと前に、誰それがどこそこで見かけたらしい」 「そうそう、そいつに電話がかかってきて、実はマイクロソフトに移ったと言っ ていたそうだ」 「えっ? マイクロソフト? 信じられな〜い!」 情報も飛び交っているみたいですね。 ▼ シリコンバレー株式会社 最近は変わりつつありますが、日本では再就職が難しいため会社を離れることに よるリスクが一般にかなり大きいのです。 リストラで会社を離れた後に、また大企業に就職なんてあまりないのが現実です。 ですから、当然人材の流動化はなかなか起こりません。 こちらでは、大企業に勤めていてもいつリストラされるか分かりません。 部署がなくなれば、いくら優秀でも即解雇です。 ですから、会社を辞めなくてもリスクは初めから存在しているのです。 ベンチャーに転職し、たとえ事業が失敗しても、また大企業に就職することも簡 単にできてしまいます。 大企業からベンチャー企業に移り、副社長の肩書きなんかが付くと、次に大企業 へ就職した際には、より高いポジションに付くこともできてしまうのです。 大企業にいてもリスクがあり、ベンチャーに移るのにリスクはない。 このような状況が、人材の流動化と会社を超えた人的ネットワークの生成に役立 っているのでしょう。 シリコンバレーで職を得るということは、シリコンバレーという架空の企業に就 職するようなものなのです。 転職は、シリコンバレー株式会社内の転勤に相当するのかも知れません。 ▼ 様々な職種が入り混じるのもこちら流 別のお宅のパーティーにも行って来ました。 このお宅は、回りを見渡せる高台にある豪邸。 集まったのは日本人ばかり。 でも、日本の会社の現地の駐在員はいません。 こちらで個人として、または自ら会社を起こして活動している日本人と日本企業 の駐在員とはそんなには交流がないようです。 日本人ばかりなのですが、職種は様々です。 成功した、または成功しつつある社長さん。元技術者のベンンチャーキャピタル 経営者。コンサルタント会社経営者。フリージャーナリストに現地MBAの学生。 職種は様々なのですが、共通しているのはベンチャーに関係しているところです。 こちらでのホットな話題は、ITからバイオに変わっていることも実感しました。 もちろん多くのIT企業も活動していますが、人々が求める株式公開のフィール ドはバイオに移っているのです。 また、ある日本人のグループの活動にも参加してきました。 エンジニアにデザイナー、建築家等こちらも職種は様々です。 今までにない、あるデバイスの完成に向けてコンセプト案を練る活動でした。 鋭い意見が飛び交います。 面白いのは、会の始まりと終わり方。 あるモールのブックストアーにあるカフェが集合場所でしたが、時間になるとポ ツポツメンバーが集まり、終わるとひとりひとりがさっと帰っていく。 ここにあるのも、独自性と独立性。 シリコンバレーで活躍する日本人も、やはりとんがっていました。 ■ 筆者プロフィール 技術戦略、技術経営の総合コンサルティング アイキット 代表 生島 大嗣(いくしま かずし 改名) http://www.i-kit.jp/ <略歴> 大手家電メーカーの研究開発部門にて、ビデオ、液晶等映像機器、地上波ディジ タルテレビ等の研究開発、コンピュータシステムに関する企画、開発等に取り組 む。独立後、ベンチャー企業や既存企業の技術、新規ビジネスモデルの評価及び 構築に関するアドバイス、講演等に携わる。 大阪市立大学 工学部 非常勤講師(ベンチャー技術論 「技術と経営」担当) 大阪商工会議所 ITビジネスフォーラム コーディネータ ご意見、ご感想、ご用命は以下のメールアドレスでもお待ちしています。 mailto: bijima@i-kit.jp 夢をカタチに! 起業や新規事業のための無料相談 http://www.nespla.jp/index.files/advise.htm ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』 (週刊☆ビジマ) ・発行部数 まぐまぐ: 692部(ID:0000106852) melma! : 76部 (ID:m00086769) 独自配信: 4部 発行部数: 772部(2003年11月28日現在) ・お友達へのご購読お薦めや、ご本人の登録解除は http://www.mankai.biz/ 発 行:満開Biz Project http://www.mankai.biz/ 発行者:咲本 勝巳 mailto:sakimoto@tokeidai.net 編 集:小山 龍介 mailto:koyaman@koyaman.com 編集協力:Idea in Action, Inc http://www.ideainaction.com/ (ご意見・ご感想などお気軽にどうぞ!) 読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく『週刊☆ ビジマ』に掲載させていただく場合がございます。匿名などのご 希望があれば、明記してください。 また、掲載を望まれない場合も、その旨、明記をお願いします。 メールに記載された情報の公開から生じる、いかなる事態に対し ても一切責任を負いませんのであらかじめご了承ください。 このメールは全文掲載する条件で、転送・再配布自由です。 本誌をご購読になったために発生したあらゆる損害に対し、 満開Biz Projectは一切の賠償責任を免れます。 Copyright(C) 2003 MANKAI BIZ All Rights Reserved. ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ |
| コラム一覧へ戻る |
|
(c) Japan i-kit All rights reserved. |