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メー ルマガジン コラム バックナンバー |
| アイキット代表 生島 大嗣 がコラムを執筆しているメールマガジンのバックナンバーです。 |
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2. 「ビジネスにマーケティング☆を走らせよ う!」 |
| ◆ 技術屋の視点 ◆ |
| 2003年 9月 10日 | |
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』 (週刊☆ビジマ) eビジネス,マーケティング,経営戦略を考えるためのヒント http://www.tokeidai.net/works/ 2003/09/10発行 No.041 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ====================================================================☆彡 ☆『技術屋の視点 〜 ビジネスモデル・技術評価の裏側 〜』第7回 「新規ビジネスのありがちな勘違い」 技術戦略コンサルタント 生島大嗣 ======================================================================== アイキットの生島です。 今回は、自分の知らない領域で安易にビジネスを築こうとした無茶な事例につ いてお話します。 ある会計士の方から、技術者の評価の仕組みを売り込みたいとのお話がありま した。これがどう考えても成立しないビジネスでした。新規ビジネスの組み立て を考えておられる方に、ご参考になればと考えてご紹介します。 ▼ 勘違いの会社 そもそもの発端は、知り合いの会計士のF氏が会計士として契約しているある ベンチャー企業G社に更なるサービスを提供しようとしたことです。G社はゲー ムソフトを大手の下請けで作成している会社で、技術者の人事評価を行う前提で 社長以下社員にインタビューを行いました。その結果判明した概要は以下の通り です。 人員構成は、ソフト技術者4名の他にデザイナーがおり、若手が中心でした。 能力的には、ゲームソフトだけでなくソフト全般に関して優秀でアクティブな人 材が多いという印象です。全体的に若い会社でやる気満万という雰囲気です。 しかし、年齢的にプロジェクトリーダーを経験したり、仕事の上流でビジネスモ デル構築や営業的な内容も含めたコンサルティングを行ったことのある人材はい ませんでした。 G社では、ゲームソフトの下請けだけでなく新たなビジネスとして ・コンサルティング業務 ・オリジナルソフトの開発 を立ち上げようとしているとのお話でした。 ところが、その内容を聞いて首を傾げてしまいました。 コンサルティング業務やプロジェクトリーダーを担当するということで外部か ら新しく入れた部長は、ソフト業界とは全く縁のない業界の営業マンでした。 この部長の経験から類推すると、あくまでも業務を知らない人間が営業サイドの 立場からだけでマネジメントを行うことになりそうでした。 実際には、ソフト開発のコンサルティングの部分では、ソフトウェアエンジニ アがこの部長にかなりのサポートを行わなければ難しいでしょう。その際、その 分野の素人である部長の認識と実際とのずれをエンジニア達が吸収するしかあり ません。当然、効率の低下やエンジニアサイドからの不満が発生する可能性が大 きいと見ました。 更にG社では、オリジナルソフトとして組み込み用ソフトを考えているとのお 話でした。この部分が次に引っ掛った点だったのです。 最初、私と社長の話がまったく噛み合いませんでした。 よく話を聞いてみると、社長の言う組み込みソフトとは生産ラインの測定機の データをCSV形式で受け取り(何とフロッピー経由です)これを処理して表とグラ フにして表示するソフトのことでした。これのどこが組み込み用ソフトなんでしょ うね。 組み込み(embedded)技術とは、前回の私のコラム 【週刊☆ビジマ】vol.35 今回はディジタルカメラのお話です ☆『技術屋の視点 〜 ビジネスモデル・技術評価の裏側 〜』第6回 「おばさん達が喜ぶディジタルカメラ 〜情報家電の裏側」 で述べた、製品に組み込まれたLSIを動かすための技術なのです。 余談ですが、製品に組み込まれたLSIにはCPUという中央演算素子があり、これ を動かすOSとしてはITRONが有名です。最近は次世代のOSとして組み込みLinuxが話 題になっています。 これらはソフト部分ですが、機器専用のLSIを設計するするためにもソフトウェ アが使われています。これにはHDLという言語がよく使われています。最近では、 回路設計には必ず必要となる時間概念を表現できるように拡張したC言語が用い られるようになっています。 また、この業務を行うには回路が分かっていないとソフトウェアの知識だけで は太刀打ちできません。まったく違う分野なのです。 G社のエンジニアにHDLのことを聞いてもまったく知りませんでした。 それは当然ですね。ゲームソフトのプログラマなんですから。これは仕方のな いことですが、回路設計が分かっていないプログラマには難しい仕事なのです。 ▼ 勘違いの会計士 私にこの話を持ってきたF氏は何を考えていたのでしょうか? 本当に単純な勘違いです。 F氏のクライアントで儲かっているG社に今以上に入りこみたい。 ↓ G社はプログラムを作っている会社で社員は大半がエンジニア ↓ 今流行りの「評価」をエンジニアに応用したい ↓ エンジニアのことは分からないのでエンジニアを巻き込もう という流れで私に話を持ってきたのでしょう。 F氏には自然な流れに思えたのでしょうが、これは本当は人事コンサルタント の仕事になります。 最終的にはこの話はお断りしました。ビジネスを組み立てるには、深層−中継 層−表層 の連携ができなくてはだめなのですが、この話はそれが成立し得ない 内容だったのです。 私がお断りしなくても、G社の社長はF氏の技術者評価サービスの申し出を受 けなかったでしょう。 そもそもこの規模の若い、そしてモチベーションの高い会社では、人事評価シ ステム云々よりもやらなければならないことがいろいろとある筈です。また、社 長の目も全社員に行き届く規模でから、今の時点では人事評価システムはまった く必要ないでしょう。 ただお断りするのは申し訳ないので、上に述べたような問題点についてはサー ビスでコンサルティングさせて頂きました。しかし、G社のHPにはまだ組み込 み用ソフト開発の文字が踊っています。F氏はこんな美味しい話を何故私が断っ たのか、今だに分からない様子です。 ▼ 勘違いでない会社 以前ある会社の人事評価システムをお手伝いした経験あります。 このH社は200人規模のSI企業でした。G社と同じエンジニア中心の会社です。 H社の社長は、「私の目が全社員に行き届かない規模になったので、人材を評 価するシステムを作りたいがトップダウンではなく社員が納得する形で作りたい」 と仰っておられました。 職場毎に人事評価システム構築のための委員を選出し、どのようなシステムが よいかを議論しながら考えていきました。委員から会社上層部への報告も当然あり ますが、委員から社員への報告も、社員から委員へのフィードバックも考慮して 運営しました。 社員に問題を提起し議論を誘導するだけでうまくいきした。これは流行りの言 葉ではコーチングに当たるのかも知れません。社員が納得する形でシステムを作 り上げ、実際に運用しながら修正を加えています。 この方法は非常にうまく機能しています。やはり、勘違いでない人々が必要性 を認識して正しく事を進めるということが大切なのです。 そして、以前から申し上げています、深層−中継層−表層 のスムーズが組み 立てができているかが重要なのです。 H社の場合は、 「表層」 :人事評価システム 「中継層」:トップの方針を共有し機能する人事評価システム構築委員会 「深層」 :トップのコンセプト、方針 という構造ができていました。 G社の場合はどうでしょうか? ご自分で考えてみてください。 そして、あなたの会社は大丈夫ですか? 無理を通そうとしていませんか? ▼ 補足 ある外資系大企業I社の人事システムを調査したことがあります。 日本の企業と違って面白い点が数々ありました。 要点をまとめておきます。参考にしてください。 1)外資系では360°評価が行われているところがある。 これは上司、同僚、部下、顧客の複数に依頼するものである。 数値化は困難との判断で全て文章での記述である。ただし、判定する項目は 設定してある。 この方法では、面談、シートへの記入等時間が非常にコストがかかる。 2)360°評価では、上司は結果的に評価対象の人物だけではなく調査シート に実際に記入を行った者の人間性も評価することになる。 3)360°評価では、Accountability(説明責任)、Transparency(透明性) が重要となる。評価をオープンにすることで信頼性を保つことができる。 同僚、部下の評価は匿名にすることも可能である。(勿論上司は把握してい る) 4)360°評価では、記述する際にはビジネスの原則に則って記述する必要が ある。評価には決して個人的な感情を入れてはいけない。 これができないと「悪者作り」や「いじめ」が発生する。従って、ビジネス と感情を区別することのできる企業風土がないとうまく機能しない。この点 から日本企業での実施は難しい点が多く存在する。 5)海外企業では360°評価を行っているところがあるが、小規模な組織では 悪人を作る、匿名性を保つのが難しいという問題点が指摘されている。 いじめに繋がる等問題が多いことと、ビジネスと感情を分ける文化、運用の 手腕があってこそ成り立つので、小規模な企業や日本型企業には向かない面 も存在する では、次回をお楽しみに。 ■プロフィール エレクトロニクス、情報技術の総合技術戦略コンサルタント アイキット 代表 生島 大嗣 <略歴> 大手家電メーカーの研究開発部門にて、ビデオ、液晶等映像機器、地上波ディジ タルテレビ等の研究開発、コンピュータシステムに関する企画、開発等に取り組 む。独立後、ベンチャー企業や既存企業の技術、新規ビジネスモデルの評価及び 構築に関するアドバイス、講演等に携わる。大阪市立大学 非常勤講師。 ご意見、ご感想、ご用命は以下のメールアドレスでお待ちしています。 mailto: bijima@i-kit.jp 夢をカタチに! 起業や新規事業のための無料相談をここでお受けしています。 ↓ ↓ ↓ http://www.nespla.jp/index.files/advise.htm みなさんのご意見、ご感想、お待ちいたしております! mailto:marketing@tokeidai.net ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』 (週刊☆ビジマ) ・発行部数 まぐまぐ: 612部(ID:0000106852) melma! : 74部 (ID:m00086769) 発行部数: 686部(2003年9月10日現在) ・お友達へのご購読お薦めや、ご本人の登録解除は http://www.tokeidai.net/sakimoto/mag/ 発 行:時計台ネット http://www.tokeidai.net/works/ 発行者:咲本 勝巳 mailto:sakimoto@tokeidai.net 編 集:小山 龍介 mailto:koyaman@koyaman.com 編集協力:Idea in Action, Inc http://www.ideainaction.com/ (ご意見・ご感想などお気軽にどうぞ!) 読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく『週刊☆ ビジマ』に掲載させていただく場合がございます。匿名などのご 希望があれば、明記してください。 また、掲載を望まれない場合も、その旨、明記をお願いします。 メールに記載された情報の公開から生じる、いかなる事態に対し ても一切責任を負いませんのであらかじめご了承ください。 このメールは全文掲載する条件で、転送・再配布自由です。 本誌をご購読になったために発生したあらゆる損害に対し、 時計台ネット並びに私、咲本勝巳は一切の賠償責任を免れます。 Copyright(C) 2003 TOKEIDAI NET All Rights Reserved. ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ |
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